作家(ら、や、わ)

ロッパ 古川緑波。ふるかわろっぱ。喜劇俳優。男爵加藤照麿の6男。早稲田大学中退。雑誌『映画時代』の記者から菊池寛にすすめられて俳優に転じ1932年宝塚中劇場で初舞台。翌年浅草の常盤座に誕生した「笑の王国」に徳川夢声、大辻司郎らと参加。生年は1903年8月13日。没年は1961年1月16日。

安田武 やすだ たけし。上智大在学中の昭和18年、学徒出陣。戦後、戦争体験の継承を訴える。日本戦没学生記念会「わだつみ会」の再建につくして常任理事。思想の科学研究会にも属した。著作に「戦争体験」「芸と美の伝承」。生年は大正11年11月14日。没年は昭和61年10月15日。94歳。
矢田津世子 やた つせこ。小説家。東京の私立麹町高女卒。初め『罠を跳び越える少女』で文壇デビュー。左翼作家から芸術派に転身。『神楽坂』は芥川賞候補。肺結核で死亡。生年は明治40年6月19日。没年は昭和19年3月14日。38歳。
柳川春葉 やながわ しゅんよう。小説家、劇作家。尾崎紅葉のもとに弟子入りし、その補筆を得た『白すみれ』で地位を確立。紅葉門下の四天王と呼ばれ、家庭小説を多く残しました。代表作に『さぬなか』など。生年は1877年(明治10年)3月5日。没年は1918年(大正7年)1月9日。
柳田国男 やなぎだくにお。民俗学者。貴族院書記官長を退官後、朝日新聞社客員論説委員。国内を旅して民俗・伝承を調査、日本の民俗学の確立に尽力。著作に「遠野物語」「石神問答」「民間伝承論」「海上の道」など。生年は明治8年7月31日、没年は昭和37年8月8日。87歳。
柳家金語楼 やなぎや きんごろう。喜劇俳優、落語家、発明家。映画・舞台にも出演。6歳で豆落語家・金登喜きんときとして高座に上がり、二代目三遊亭金馬に入門、金語楼襲名後も自作自演の新作(筆名有崎勉)で活躍。新作落語は千以上。エノケン、ロッパと並ぶ三大喜劇人。本名は山下敬太郎。生年は明治34年2月28日。没年は昭和47年10月22日、71歳。
柳家三語楼 やなぎやさんごろう。横浜生まれで、セント・ジョセフ・インターナショナル・カレッジ出身。噺家としては珍しく英語が堪能で、英語まじりのナンセンス噺で人気を集める。生年は1875年3月、没年は1938年6月29日。64歳。
山田順子 やまだじゅんこ。弁護士と離婚して上京。大正14年「流るゝまゝに」を出版。竹久夢二、徳田秋声、勝本清一郎とくらし、秋声の「元の枝へ」など一連の「順子もの」や「仮装人物」のモデルとして有名。生年は明治34年6月25日。没年は昭和36年8月27日、60歳。
山田美妙 やまだびみょう。小説家。1885年、大学予備門 (のちの第一高等学校、現・東大教養学部) 在学中、尾崎紅葉らと硯友社を組織。『武蔵野』など短編集『夏木立』(1888年) で、二葉亭四迷とともに言文一致体の先駆者に。「日本大辞書」「大辞典」を編集。生年は慶応4年7月8日。没年は明治43年10月24日、43歳。
山野一郎 やまのいちろう。無声映画の弁士。徳川夢声らとナヤマシ会を結成。のち6代一竜斎貞山に入門し、貞寿の名で文芸講談に。戦後は漫談で活躍。生年は明治32年12月15日。没年は昭和33年12月18日。59歳。
山本実彦 やまもとさねひこ。出版経営者、政治家。大正4年、東京毎日新聞社主に就任。8年、改造社を創立、雑誌『改造』を創刊。昭和初期に1冊1円の予約全集『現代日本文学全集』で、円本ブームの先駆者に。昭和5年衆院議員に当選。戦後、改造社を再興するが、22年、公職追放。生年は明治18年1月5日。没年は昭和27年7月1日。67歳。

由井正雪 ゆいしょうせつ。江戸時代初期の軍学者。江戸で軍学者楠不伝に学び、楠流軍学を教える。慶安4年、同志の丸橋忠弥、金井半兵衛らと幕府転覆をはかるも、露見して自刃した(慶安事件)。生年は慶長10年(1605)。没年は慶安4年(1651)7月26日。
有楽座 ゆうらくざ。1908年(明治41年)12月1日に開場、1923年(大正12年)9月1日の関東大震災で焼亡。日本最初の西洋式劇場。現在は有楽町のイトシアプラザ(ITOCiA)が建つ。坪内逍遥らの文芸協会、小山内薫らの自由劇場、池田大伍らの無名会、島村抱月らの芸術座、上山草人らの近代劇協会ほか、新劇上演の拠点になった。

横井弘三 よこいこうぞう。洋画家。二科展を中心に発表し、樗牛賞や二科賞を受賞。昭和5年に日本初の無審査・無賞の展覧会、アンデパンダン展を開催。戦後は露天商をしながら絵を描き、37年一水会会員に。生年は明治22年5月、没年は昭和40年10月11日。76歳。
横溝正史 よこみぞせいし。小説家。江戸川乱歩のすすめで上京。雑誌編集の傍、日本の風土を生かした論理的な本格推理小説を発表。探偵金田一耕助が登場する『本陣殺人事件』で第一回探偵作家クラブ賞を受賞。生年は明治35年5月25日、没年は昭和56年12月28日。79歳。
横光利一 よこみつりいち。小説家。早大中退。『文芸春秋』創刊に際し同人。のちに川端康成、片岡鉄兵らと『文芸時代』を創刊。伝統的私小説とプロレタリア文学に対抗した新感覚派の代表的作家。生年は明治31年3月17日、没年は昭和22年12月30日。49歳。
与謝野晶子 よさの あきこ。歌人、作家、思想家。『みだれ髪』を刊行。人間性賛美を歌い、「明星」の浪漫主義短歌の指標になる。源氏物語研究には独自の見解を示す。生年は明治11年12月7日、没年は昭和17年5月29日。65歳。
与謝野鉄幹 よさの てっかん。詩人・歌人。本名はひろし。新詩社を創立し、「明星」を創刊。その門に俊才が多く集まり、妻晶子とともに明治浪漫主義と呼ばれた。大正8年(1919年)、慶應義塾大学文学部教授に就任。生年は明治6年2月26日。没年は昭和10年3月26日。63歳。
吉井勇 よしいいさむ。歌人・劇作家。生年は1886年(明治19年)10月8日。没年は1960年(昭和35年)11月19日。東京の生まれ。早稲田大学中退。耽美派の拠点となる「パンの会」を結成。歌集は「酒ほがひ」「祇園歌集」「人間経」、戯曲は「午後三時」「俳諧亭句楽の死」など。
吉江喬松 よしえ たかまつ。フランス文学者、詩人、作家、評論家。号は孤雁。大正5年パリに留学。帰国後早稲田大学に仏文科を創設、教授に。農民文学に傾斜。生年は明治13年9月5日。没年は1940年3月26日。61歳。
吉田甲子太郎 よしだ きねたろう。英文学者、児童文学作家。早稲田大学英文科卒業。明治大学文芸科教授。朝日壮吉のペンネームで外国作品の翻案小説を発表。『負けない少年』、『サランガの冒険』で作家としてデビュー。生年は明治27年3月23日。没年は昭和32年1月8日で、62歳
吉田賢龍 よしだけんりゅう。教育者、帝大文学部哲学科を卒業。東京真宗中学主幹から、早稲田大学講師、千葉中学校長、広島文理科大学の学長に。泉鏡花とは親友。妻すずとの結婚では、結婚資金を工面することも。鏡花の代表作『高野聖』は、吉田賢龍の飛騨越えの体験談を元にしている。生年は1870年2月5日、没年は1943年1月5日。72歳。

若山牧水 わかやまぼくすい。早稲田大学卒。平明な歌風により自然主義歌人として活躍した。旅を愛し、酒を愛した。生年は明治18年8月24日、没年は昭和3年9月17日。
鷲尾雨工 わしおうこう。本名は鷲尾浩。早稲田大学英文科。同級には直木三十五、坪田譲治、西條八十など。大正8年、春秋社と冬夏社も経営。冬夏社の経営に直木三十五も参加、直木の金銭的無軌道が災いし、仲違い。昭和10年「吉野朝太平記」を発表。11年、同作で第2回直木賞を受賞。生年は明治25年4月27日、没年は昭和26年2月9日。58歳。
和田芳恵 わだよしえ。小説家。評論家。昭和6年新潮社に入社。昭和38年「塵の中」で直木賞。日本近代文学館常務理事。生年は明治39年4月6日、没年は昭和52年10月5日。71歳。